夏場のある池のコイ(冬場はこんなに現れません)

2020年正月明け、これまで何度か来たことのある池でコイの環境DNA測定を行いました。ここは数匹のコイがいることは確認済の場所です。
 コイは冬場はほとんど餌を食べないと聞いたことがあり、これはつまり糞をしないので環境DNA量は少ないと考えられます。論文等でも冬は魚の環境DNA量は少ないと言われていおり、軽い気持ちで測定してみました。
 条件は
 ・500mLカップによる採水
  ⇒水面下は手製ポンプ
 ・ステリベクスによる濾過(100mL)
 ・簡易(HS)法による抽出
 ・KAPA 3G Plantを増幅試薬に使用
 ・PCR1100による増幅
  詳細は環境DNA検出法の全貌に記載した方法に沿っています。

 結果はCt=42.1とちゃんと検出することができました。これだけでは面白くないので手製のポンプで水面下75cm、35cm、5cmと先の表面の水を合わせて4水準の深さで採水し測定した結果を下図に示します。

 今回の結果は表面付近に環境DNAが多い事を示すデータになっています。これはたまたまなのか常にこのような結果になるかはこのデータだけでは言えませんが、この程度の深さの差でも環境DNA量に差がある可能性を示唆しています。
 なを今回表面と水面下5cmのデータを取ったのは、表面に浮かぶ油等の夾雑物が測定に影響を及ぼすかを調べたかったためです。今回の結果からは(この測定方法においては)表面に浮かぶ夾雑物の影響はほとんど無かったようです。