ステリべクスから液を取り出す時に、学会のマニュアルでは高価な遠心機を使用することになっていますが、同じ機能を持つ機材(機材と言える?)です。
これにまず液を取り出すためのチューブ(1.5mL)を横から挿入し、その上からステリべクスの注入口をチューブに入るように挿入。あとは紐でぐるぐる2秒程度回すだけです。
マニュアル記載の遠心機を使用した場合、どうしても液がステリべクスに残りますが、この方法だとほとんど残らず取り出せます。その他メリットとして、短時間で作業できること、安いこと、場所をとらないこと、電源が不要なことがあります。
デメリットはこの遠心器が汚れていた場合、もしくは空気中にDNAが浮遊していた場合、コンタミを起こす可能性があることです。とは言ってもきっちり管理しておけばその可能性は極めて低いと思いますので私はよく使っております。
またチューブ側面についた試料等を落とすスピナーとしても使用できます(ただしサイズは限定されます)。
使い方
使い方は次の動画を参照してください。
紐が切れた場合は遠心器ごと飛んでいきますので使用場所は注意して、自己責任でお使いください。
作り方
ここに至るまでは色々試行錯誤しましたが、この形状は作り方も簡単になりましたので作ってみてください。
手順は
- 外径22mm、内径19mm程度のパイプを60mm長に切断。推奨材料はref1をご覧ください
- これを旋盤若しくは金のこで等で添付図のように切り欠きを作ります。
- 切り欠き部を沸騰したお湯に浸けて暖め、ラジオペンチで切り欠きの両脇を1.5mmチューブがちょうど入る程度(約11mm)まで絞り込みます。ここはチューブを使って試行錯誤を繰り返すことになります。最終的に絞り込み具合は上の現物写真のようになります。
- あとは振り回し用の紐をつけるだけですが、私の場合はパイプの上にまず透明ガムテープを巻き滑りにくくしたうえで、インシュロックでたこ糸を固定しています。
Ref1: 推奨材料;未来工業の硬質ビニル電線管<J菅>HI VE16M
沸騰水でいい具合に柔らかくなるので加工しやすいです。
不明な点がありましたらコンタクトしてください。