以前濾過後のステリベクスの持ち帰り用として瞬間冷凍法を紹介しましたが、自分でやっていてちょっと面倒と感じることがあり、特にステリベクスの数が多くなると厄介なので他に何かいい方法が無いかと考えていました。

 そんな時保冷剤もピンキリで、中には非常に強力なものがある事を知り試しに購入しました。これまで強力と言われるLOGOSの保冷剤を使用していましたが、これに比べても更に強力でこれは使えると思いましたので紹介します。

 購入したのは下の写真にある「キャンパーズコレクション パワークールー16℃(山善社)600g」です。

強力な保冷剤

 まず実験として-20℃の冷凍庫で24時間冷やしたこの保冷剤を2ヶ用意し、下の写真のように発泡スチロールの箱に常温の水を満杯にした遠沈管(50mL)2本を入れておくと7時間後でも完全に凍っていました。この実験は8月に行い気温は30℃以上あったのでオールシーズン使えるとの感触を得ました。

保冷剤をテスト状況。2本の遠沈管を保冷剤で挟み緩衝材で上下を包みました

 この結果を受けて、車で3時間の採水ポイントで15本のステリべクス濾過を行い(作業時間約1時間)水を抜いてからこの保冷条件で持ち帰りました。この時冷凍状況を見るために水を入れた1.5mLチューブを同梱しました。結果、帰宅後もチューブ内の水は凍った状態で、ステリベクスは凍っていることが分かりました。もちろん保冷剤は家を出る前に写真のような発泡スチロールの箱に移しているので、先の実験結果の通り7時間は冷凍状態をキープしていたことになります。

 オスバンを入れた水を持ち帰り濾過・抽出処理をすると結果がばらついたり、RNALaterをステリベクスに充填すると抽出方法によっては結果が悪くなったりするとの噂を聞いたりします。ですので安定した測定結果を出すためにはあまり不純物は混ぜたくない思ってしまいます。

 そこでこのような冷凍方法は結構重宝しそうです。

 ちなみにこの保冷剤はどうも-16℃付近に融点を持つ物質が入っているようで、あまり冷えない冷凍庫だと効力を発揮しないようです。またー30℃以下で冷凍しないように書いていますので注意が必要です。