環境DNA測定の採水工程において、コンタミを減らすことが重要であることは随所で書きました。一方で「次亜塩素酸での洗浄について(1)」でも書きましたが特に現場で洗浄する場合、次亜塩素酸の洗い残しがあるとDNAは壊れてしまい、本来出るべき結果が出ないことがあります。

 そこであれこれ考えた結果コンタミを極力減らせる簡単な採水治具を試作しました。
 これは川などの水が流れているところ(流水)ではコンタミしないと思いますし、止水でもある程度気を付けて扱えばほぼコンタミの心配は無いと思います。
 以下その試作した治具(ビリュー式採水棒)を紹介します。

 下の写真がその治具になります。

コンタミを抑えるビリュー式採水棒

 使い方は次のようになります。

左から手順1、2、3

手順1:シリンジにシリンジ止め(黄色いもの)をはめ込む
手順2:シリンジ止めをパイプの先端に付けたフックに引っ掛け
手順3:これを止まるまで上に引き上げる

左から手順4,5,6

手順4:洗濯ばさみでシリンジのピストン部を引っ掛け
手順5:シリンジを環境水に突っ込んだ(写真なし)後、紐を引くことでシリンジに採水する
手順6:洗濯ばさみを外す

左から手順7,8,9

手順7:シリンジを外す
手順8:ステリベクスをシリンジと接続し
手順9:フィルタリングする。
あとは必要回数だけ手順2~9を繰り返します。

 一見すると面倒なようにも感じるかもしれませんが、学会マニュアルでは100mL毎に水を汲みかえることになっておりますので、手間はほぼ同じです。

 一方でこの採水棒のメリットは採水地毎に新品のシリンジを使うので、バケツなどの容器からのコンタミは起こりません。

 止水の場合、採水棒の先端をバケツの水で数回共洗いしておけばよっぽどのことがないとコンタミは考えられません。
 流水の場合は採水棒についていたものは下流に流れてしまい、シリンジには入ってきません。

 他のメリットとしては次の写真のようにバケツを入れにくい場所でも採水できたり、水面に油や植物が浮いているような場所でも問題なく採水できます。

ビリュー式採水棒による採水風景
このように水面に浮遊物があってもそれを避けて採水することができます

 

 以下が試作品の材料です。一つの例として記載します。

・固定ホルダー(黄色いもの byアマゾン)
・φ20程度のパイプ(byホームセンター)
・上記φ20のパイプをつなぐパイプ(10mLのシリンジを切断)
・不要になったネクタイピン
・洗濯ばさみ(先端を変形させています)
・紐

メリットを感じてくださった方は作ってみてください。