単純に水際からバケツにロープをくくり付けて水面に投げ込み手繰り寄せるだけですが、具体的には以下の手順になります。

  1. 採水しバケツを共洗いし、その水をこれから採水する水と混ざらないように捨てる
  2. この共洗いをもう一度繰り返す
  3. 採水し目標採水量の1/数~1/10の量を保管(輸送)用容器に移す
  4. 上記の採水を繰り返し目標の採水量になったら容器を閉めて終わり

 この容器内の水サンプルをすぐにフィルタリング処理しない場合は塩化ベンザルコニウム(オスバン)を最終濃度0.01%になるように混ぜるとマニュアルには書いていますが、これも要注意です。最近オスバンにより環境DNAに変化が現れデータのバラツキの要因になることが分かってきています。もちろん何もしないで常温に置いておくと環境DNAが分解しますので、できればすぐにフィルタリングすることをお勧めします。

投げ込んて手繰り寄せるだけと書きましたが、意外とうまく入りません。推奨の手順としては、
・目的地点に一度バケツを投げて、少しの水の入ったバケツを回収
・この水を捨てずに重りとして再度投げ込んで多量の水を汲む
と言った2段階で採水することがお勧めです。

機材はバケツとロープだけで誰でもできますが欠点としては
・橋や堤防の上等高い位置からは採水しにくい事
・表面の水しか採れない事
・池などの止水の場合、水際にゴミが多く浮いていることがあり、バケツではこれらのゴミも一緒に回収してしまう事
があります。

 高い位置から採水しにくいという欠点を改善したのが下写真に示す採水容器です。これを使用すれば橋の上からでも糸を垂らすだけで簡単に採水できます。採水する様子は便利な機材の投稿をご参照ください。一度に多くの水を汲めませんが、手順3にありますように何度も汲んで少しづつ混ぜることになりますので全く不便はないはずです。

便利な採水カップ

 表面の浮遊物を除いて採水したい場合はボトルを使用し、水面下にボトルの口を沈める方法や「ビリュー式採水機」を使うと対処できます。